デフレ脱却の大きなテーマに
シニア層のマーケットを開拓するという見方があります。
それは消費の主役がシニア層に移行しているのを
受けてのことですが、
企業の対応はまだまだ遅れているそうです。
ただ、私、尾木が思うに
対応が遅れているだけではなく
対応の中身も少しずれているような気がします。
例えば外食大手のワタミ。
ワタミはシニア向け居酒屋「炭旬(すみしゅん)」を展開しています。
内装に昭和の時代をイメージすることで
シニア層になじみ感を提供し、
価格も他社居酒屋より1割程度高めに設定。
これは、シニア層は安さより品質を重視するということに
対応した設定だそうです。
はたしてそうでしょうか?
今のシニア層は昔と違って
実年齢より若い人が増えてきていますし
今後もその傾向は進むでしょう。
シニアだから「これ」というお決まりの押しつけには
抵抗を感じる人が多いのではないでしょうか。
ただ、それと並行して
多くのシニア層は不安を抱えています。
一番は健康の事、カラダの事ですね。
ですから、お金をできるだけ手元に置いておきたいわけです。
また、孤独感を嫌っていると思います。
若いときと違い、なかなか同年代で集う機会も減っています。
そんな事を考えれば
仮にシニア層向けの居酒屋を考えれば
内装は若返りの活力を与えてくれるイメージにし
価格も抑え、いつでも集えるような手軽さを出し
リピートを考える
ということの方が合っていると思うのです。
確かにワタミのコンセプトに添うような人達はいます。
しかし、そういうシニアは2割もいないのでは
と思います。
肝心なのは、シニアだからという押しつけをなくし
8割のシニア層のココロをどう掴むかだと思います。
そういう企業が多く出てくれば
デフレ脱却の一つの糸口が見えてくると思うのです。