病気やケガで治療をうける時、医療費の一定額を補填してくれるのが公的保険制度。
サラリーマンなど企業に勤める人が入る健康保険や
自営業者のための国民健康保険。
これらは国が運営している公的保険です。
ここでは、それとは別に知っておくと何かと役立つ、
一般に生命保険といわれる民間の保険についての基礎知識を取り上げてみます。
そもそも日本で初めて近代的な保険制度を紹介したのは、かの福沢諭吉です。
1867年(慶応3年)に、福沢諭吉は軍艦の引き取りに通訳として同行しアメリカに渡りました。
しかし、その道中上司に反抗的な態度を取ったとかで、
帰国後に幕府外務省から謹慎を言い渡されたのです。
その謹慎中に彼が書き上げたのが「西洋旅案内」。
西洋旅案内はベストセラーになったのですが、この中で彼は保険制度を紹介して、
生涯請合(生命保険)、火災請合(火災保険)、海上請合(損害保険)
の3種の災難請合について説明しています。
災難請合(さいなんうけあい)とは、商人の組合ありて、平生(へいぜい)無事の時に人より割合の金を取り、万一其人へ災難あれば組合より大金を出(いだ)して其(その)損亡を救ふ仕法(しほう)なり。
その一節ですが、多くの人が保険料を出し合い、もしも何かが起こった時は、そこから保険料が出される。
今とほぼ変わらない内容で紹介されています。
ここから日本の保険制度の歴史がスタートしました。
現在、社会保険と産業保険からなる公的保険に対して、
民間の保険は私的保険といい、
生命保険、医療保険、損害保険や共済などに分類されます。
扱っている保険会社も多種多様、保険の種類も増加・複雑化して何かとわかりずらいのが保険の印象ですが、要点を押さえておくことが大人の常識。今後の計画的な人生設計に役立つよう基礎的な知識を身に付けておくことが大切ですね。